M-65ライナージャケット ― 脇役から主役へ
M-65ライナージャケットとは
ミリタリーウェアの中でも圧倒的な人気を誇るM-65フィッシュテールパーカー。
その名の通り裾が魚の尾のように分かれた特徴的なシルエットと、無骨ながらも洗練されたデザインで、ファッションシーンにおいても長く愛され続けてきた名品です。

umi tajiも5年以上前から愛用しています。
そんなM-65フィッシュテールパーカーに欠かせない存在が、着脱可能なライナージャケット。
本来は防寒性を高めるためのインナーとして作られましたが、近年は「単体で羽織るスタイル」が注目され、独自の存在感を放っています。

ミリタリーに挑戦してみたい方にまず最初にオススメしている、PORTE VINTAGEでもお馴染みのミリタリージャケットです。
PORTE ファンは、ライナーリメイクも含めて1つは皆さんお持ちなのではないでしょうか..?
そのくらい変わらずずっと愛され続けているミリタリーアイテムのひとつです。
歴史・背景
ライナージャケットは、1960年代に米軍で採用されたM-65パーカーの防寒用インナーとして誕生しました。
寒冷地での着用を想定し、パーカーの内側にボタンで取り付けられる仕様になっています。
もともとは主役ではなく「裏方」的な役割でしたが、古着として流通する中で「ライナーだけでも着られるのでは?」という発想からファッションアイテムとしての価値が生まれました。
軍用に作られた実用性と、時代を経た風合いが合わさり、今ではヴィンテージミリタリーの中でも特に人気の高いアイテムとなっています。
デザインの特徴

ライナージャケットならではの魅力は、他のアウターにはない独特のディテールにあります。
キルティング仕様
ダイヤ型やウェーブ状のステッチで中綿を固定。軽量でありながら保温性が高く、ふっくらとした表情が特徴です。
軽やかな着心地
中綿入りながら分厚すぎず、羽織ったときの軽さは軍モノならでは。
ちょっと肌寒い日にさらっと羽織れます。
シンプルなディテール
前立てはボタンやテープのみ。もともとパーカーの内側に装着する前提なので、極限までそぎ落とされたミニマルさがあります。
年代による色味・タグの違い
年代によって色味が異なるのもポイントのひとつ。
濃いカーキ、薄いカーキ、色味が異なるだけで雰囲気もまた変わります。

そしてライナージャケットの特徴のひとつに内側に縫い付けられた白いタグがあります。
これはただの飾りではなく、軍の正式な製品であることを示す“スペックタグ”。

タグには、製造年や契約番号、アイテム名(「LINER, COAT, COLD WEATHER, M-65」など)が記載されています。
私たちがよく見ている年代の見分け方
DSA(Defense Supply Agency)表記
1960年代〜1970年代初期に多い
例:DSA 100-69-C-xxxx → 「69」は1969年製
DLA(Defense Logistics Agency)表記
1970年代後半以降に多い
例:DLA100-83-C-xxxx → 「83」は1983年製
SP0100-xx など
1980〜90年代にかけて見られる形式
「xx」が西暦下2桁を表す

本日ONLINE STORE新入荷のライナージャケットはDSA 100- 73 – C なので1973年製造のものと分ります。
ひとつひとつ異なるものなので、タグを眺めるだけでも奥深い楽しみがあります。
ファッションとしての魅力
ライナージャケットが人気を集める理由は、その「使い勝手の良さ」と「抜け感」にあります。
1枚で羽織ればカーディガンのような軽快さがあり、シャツやスウェットの上にラフに重ねるだけでスタイルが完成。
また、アウターのインナーとして使えば防寒性を高めつつレイヤードのアクセントになります。

パンツ、スカート、ワンピース、カジュアル、綺麗めどんなボトムスにも合わせやすいのが魅力です。
どんなコーデでも、ミリタリー特有の無骨さが程よいリラックス感を演出してくれます。
最後に..
年々希少価値の高まっているM65ライナージャケット。
最近は、日本でも海外でもなかなか入手困難になっています。
その中でも、PORTE VINTAGEではコンディションの良いものを厳選してセレクトしています。
そして、状態に応じて素材の魅力を引き出し、バッグやポーチとして新たな命を吹き込むのが、PORTE VINTAGEのこだわりです。
一枚ごとに異なる表情を見せるライナージャケット。
出会いもまた一期一会。
ぜひ自分だけの一着が見つかりますように..
本日新入荷のライナージャケットもぜひチェックしてみてください。